2024/07/24 22:24

昨年の秋からGALLERYエクリュの森では出版部を設け小さな本を出版しています。


今回、河本蓮大朗展に際してブック「自己循環」が出版の運びとなりました。織物を軸にさまざまな表現をしている現代美術家である河本蓮大朗。彼の発案で搬入時期を大きく前倒しし、その空間で行われた詩人カニエ・ナハさんとの対談の掲載が叶ったブックが誕生しました。今回はデザインと編集を作家河本が全て行ったこともあり、作品の一部とも言えるブックが出来上がった感があります。


対談は、昨年行われたギャラリーピクトルの展示で出会った二人が終始和やかに親密に言葉を交わし共感して一体化し、展覧会のタイトルである「自己循環」を体現しているかのようなものになっています。今回新たな展開を見せた河本作品についてカニエさんがその可能性の扉を次々に開いて新しいものに出会った喜びと共に言葉を紡いでいる、という印象を与えます。ぜひお手元でお読みいただければと思います。


なお当初予定されていなかったのですが、本展に寄せてカニエさんが書かれた詩が各冊に差し込まれており3つの紙片(である詩篇)で構成されています。3種の紙の形状や質と詩作が一体となったもので、河本さんのコンセプトに寄せてカニエさんがデザインされました。
3枚の紙片はアットランダムに差し込まれているため種類をお選びいただくことはできませんがそれをも楽しんでいただけたらと思います。


展覧会は7月28日の日曜日まで、26日の金曜日は夜7時まで営業しております。またご遠方の方やお出かけになれない方は、よろしければ本書をお読みになっていただければと思います。